北三の大きな強みは、世界中の原木を調査・買付するために構築した独自の情報ネットワーク力にあります。現地の情報をもとにエキスパートの選木員が赴き、銘木としての価値を見極めたうえで買付を行う。 北三ならではの調査・買付システムがあるからこそ、 お客様のデザインイメージにマッチした銘木をバラエティ豊かにお届けすることができるのです。 また、北三は原産地に眠る未利用の樹種発掘にも積極的に取り組んでいます。 ユーラシアンチークやパープルウッドなど、北三がはじめて商品化し大流行した銘木は枚挙にいとまがありません。
北三独自の超薄板切削技術により業界トップクラスの薄さを実現しました。 北三は、木目がもっとも美しく見えるように加工する伝統の製材技術をベースに、 先進の設備とノウハウを駆使した新しい製造技術も積極的に導入しています。 このたゆまぬ技術開発に支えられ、北三製品はデザイン的にも品質的にも最高レベルとの評価をいただいています。
北三は伝統や常識に縛られず、斬新な発想からツキ板の可能性を追求しています。 たとえば、金属やガラス、アクリル、不織布といった基材にツキ板を貼り合わせた製品。 切削理論や刃物、積層方法の新発想によるオリジナルな柄など、 業界に先駆けて開発した製品は他にもまだたくさんあります。 高度化・多様化するツキ板へのニーズに応えるために、 北三はこれからも製品づくりの新たな領域に果敢にチャレンジしてまいります。
建物や航空機・自動車の内装、家具・インテリアなど、日常生活の中で木の素材感を活かしたものを目にする機会は多々あります。本物の木をそのまま使ったもの、木目調の印刷がされたものなどもありますが、そのうちのいくつかは、北三の作っているツキ板を使って作られたものかもしれません。
北三はツキ板のメーカーとして最大手。ツキ板とは、木目の美しい銘木を世界中から集め、0.2~0.5ミリほどに薄く削ったもので、合板に貼り付けて建物・家具に使ったり、金属板に貼って航空機・電車の内装に利用したり、ギターやドラムなどの楽器の質感を出すために用いられたりとさまざまな用途があります。
特殊な加工方法で作り出すツキ板もあります。北三は1000本中1本ほどにしか存在しないチヂミ柄を再現する加工方法を確立しました。「リアルテック」という商品名を付け、世界8カ国で特許を出願しています。
ツキ板の良し悪しは、元になる銘木の木目の美しさ次第のところがあります。世界中から銘木を仕入れるノウハウやネットワークは一朝一夕で育つものではなく、大正時代から事業を続けている北三に一日の長があるといえます。
また、ツキ板をさまざまな素材に貼り合わせていくのにも技術が必要。貼り合わせに使う接着剤は基本的に水気を帯びています。吸水性のある木の合板などに貼るのは比較的簡単ですが、アルミなどの金属やプラスチック、ガラスなど、吸水性のない素材に貼るのは容易ではありません。素材ごとにツキ板を接着するノウハウがあり、北三ほど多様な素材を扱える企業はほかにありません。
このように北三は、ツキ板を削り出すだけでなく、世界中から銘木を仕入れ、さまざまな素材に接着するまでを行っています。日本だけでなく世界中を見渡してみても、一貫した生産体制を持っている企業はほとんどありません。一貫生産だからこそできる総合力の高さが他社にはない強みになっています。
木という自然の素材を扱うことが北三で働く難しさであり、面白さでもあります。
木の材質は種類ごとに違い、削り方などの加工方法は、当然変えていかなければなりません。同じ種類の木であっても、木目には違いがあります。1本1本の違いを見分けて、加工方法を工夫するところに製造の仕事の難しさ・面白さがあります。
木目や性質が1本1本違うことは、製造の仕事だけでなく、営業や資材仕入れの仕事にも影響しています。銘木の中には1億円を超えるものもあり、同じ種類の木であっても木目の美しさ次第で販売価格に10倍もの開きが生じることもあります。
顧客に好まれる柄はどんな柄か、使える予算はどれくらいかと都度考える難しさ・面白さが営業の仕事にはあり、世界中を回ってさまざまな銘木に触れ、高い値段の付く銘木を見極めて仕入れる難しさ・面白さが資材仕入れの仕事にはあるのです。